近江王子は愕然としました。目の前には、大の男達が、昔の漫画みたいに山積みになってのびているのです。
「な…なんなんだ、これは…」
「いや〜聞きしに勝る強さですね〜」
剣持(魔法使い)が脳天気に笑っています。
「あら貴方たち、誰?」
いい汗かいて溌剌とした舞子姫が振り向いて聞きました。
「え…あの、その」
「お見合い相手の近江王子です」
剣持がにこやかに紹介しました。
「へぇ〜貴方が?はじめまして!私舞子!こっちはしーちゃん!」
ニコニコしながら、舞子は自己紹介しておじぎをした。
翔子はどす黒いオーラをまといながら、にこやかにお辞儀する。
「いられませ、近江王子。うちの舞子を娶って下さるそうで、とてもうれしいですわ」
「いえいえ。さすがは天下の扇家、聞きしに勝る美姫ですな。それに、翔子さん。貴方とはとても気が合いそうだと思った…あ、私の名は剣持司。魔法使いです。」
「!剣持…?!あの魔術の闇の死繰人?!」
翔子の目が輝いた。
「すごい、一度会ってみたかったの!剣持さん、お話聞かせて下さいな!」
翔子は剣持とさっさと行ってしまった。
「しーちゃん、ミーハーだから…」
「あ…舞子といったか?ごめんな、いきなり押しかけて。迷惑だったら、すぐ出てくから…」
「ううん!私うれしい!ね、近江君強いんだよね?じゃあ手合わせしようよ!私、自分より強い男の人じゃないと結婚しないから!」
近江は青ざめた。
けれど。
近江は舞子姫を一目で気にいったので。
近江は構えた。
「いつでもいいぜ、お姫様!」
二人はいつまでも組み手を楽しそうに舞っていました。そして二人はいつまでも仲良く暮らしましたよ。
ただし、王子は姫には一行に勝てないままでしたが…
おまけ
翔子姫はちゃっかり剣持と結婚して、幸せになりましたとさ。
おしまい