カルラ劇場の過去ログです。


「企業秘密だ(きっぱり)<明後日の方向を指差す」

「実はですね。僕の時渡りで異次元まで遊びに行ったんです。そこでは僕達は漫画の世界の住人になってまして。湛は『変幻退魔夜行カルラ舞う!』という漫画になった僕達の活躍を熱心に読んでたんですね。ほんとこれタブーなんですけどね。異次元に行くなんて。」

翔子「ギリギリね…。」

ナレーション「と、翔子がつぶやいた。」

「簡単にばらすな、匠。」

「いいじゃない。」

舞子「もういいよね、あたしは遊びに行くから。近江君、行こう。翔ちゃん泳ぎ教えたげる。」

翔子「えっ!(ぎくっ)」

舞子「駄目だよ、たまには練習しないと。浮き輪、ビーチ板なしで今日は特訓!」

翔子「そ、そんな(蒼白)……。舞ちゃんったら〜」

近江「大丈夫だ。そんないきなりプールに叩きこんだりしないから。(ちらり)」

舞子「根にもってんの〜?なら飛びこみで勝負しようよ!」

近江「OK。行くか」

ナレーション「二人は闘志に燃えて正真証明のプールへと向って行った。」

翔子「ほっ。助かったわ(汗)。」

剣持「こちらはこちらで楽しみましょう。」

永鉄斎「ほい、来た!」

剣持「でも褌はやめて下さいね」

「匠。お前も褌になるのだ。」

「え。(ぎくり)―――い、いやだーーーーー!!!!」

ナレーション「逃げる匠。それを追う湛。あんまり見たくない光景かも。」

「待つのだ!!」

剣持「(人のお願いを聞いてくれない連中ですね)機械的に追いかけていくところが恐ろしさ倍増ですね。」

翔子「もしかして匠君…これが嫌で諏訪から逃げ出したんじゃ…(汗)」

剣持「…そうかもしれませんね…」

「いやだーーー!!やめて!あっ」

効果音「ざっぱーーーーん!」

「ごぼごぼがごぼごぼぼがぼ〜〜(湛がその気なら、時間を戻してやるから!!)」

ナレーション「匠が鈴を水上に高々とあげて鳴らした!」

「やめろ!匠!水の中でやったりしたら……!」

翔子「あっ、何!?」

剣持「時渡りの空間が水を押し上げている!まずい、津波が来ますよ!」

永鉄斎「げっ(汗)。みんな逃げろ〜〜!!」

ナレーション「だが、遅かった!!津波がこっちに!!あーーーー!!(汗)」

効果音「ずざざざざざああああああん!!!!!」

ナレーション「……暗転します……ごぼっ。」

効果音「し〜〜〜〜〜〜ん…………(静寂)」

錦織「……という夢を見たんだよ。俺も疲れてんのかな。ナレーターもいたんだぜ?」

剣持「随分手の込んだ、というのも変ですが細かい設定の夢ですね(汗)」

近江「俺は…そこまで情けなくないと思うんですが?(剣呑)」

錦織「だっ(汗)。怒るな!夢だ夢!人格が捩れてるのは当然だろう!」

剣持「錦織さんの中で私達が捩れているということでは、ありませんよね(にっこり)。」

錦織「お、怒ってるのか?(やっぱり話すの止すべきだったか)」

剣持「夢ですからね、夢に怒っても仕方ないですけどね(苦笑)。」

近江「(それにしたって俺の扱いは酷すぎだと思うぜ)」

錦織「正夢じゃなきゃいいな(汗)。ほれ近々慰安旅行しようって言ってたじゃないか。だから余計そんな夢見ちまったんだろうな。」

永鉄斎「ほ〜そんな夢をね。(実は剣持家に泊りに来てた)」

錦織「永鉄斎さんが昨日ガンガン呑ませるからですよ!」

永鉄斎「さて?わしはそんな飲ませたかな〜〜夢をそんな夢を見るまでなんて・・(ニヤリ)」

剣持「案外誰かが見せた夢なのかもしれませんね。」

近江「『不思議の国のアリス』のような夢ですね。」

剣持「さて、慰安旅行、どうします?」

永鉄斎「慰安旅行ってんなら、やっぱり温泉だろ。」

錦織「やっぱり!?でも俺は遠慮したいと思います。今回は。」

剣持「大丈夫ですよ。夢なんですから。」

舞子「こんちゃー!!(元気に登場)お邪魔しま〜す!」

翔子「こんにちは。」

剣持「あ、旅行の相談に見えられたようですね。近江くんお茶請けを補充して下さい(そういって彼はお茶を淹れる)。」

近江「はいはい、っと。(膨大な数のお菓子をどさどさどさっとテーブルに積む)」

舞子「あ、お菓子だ〜♪食べていい?」

翔子「舞ちゃん!(たしなめる)」

剣持「どうぞ。そのために買ってあったものですから。」

舞子「わ〜い♪(早速つまみはじめる)ところで旅行のことなんだけど、おばあちゃんがね、温泉に行かないかって。知り合いに温泉旅館の女将がいて安くしてくれるんだって。」

錦織「えっ!!温泉?(さ〜っ)」

永鉄斎「しかもばあさんがらみだ。こりゃあ錦織さん、あんたの夢、あながち嘘じゃあないかもな。」

錦織「お、俺は今回遠慮させてもらう!俺は平凡でいいから平和な休暇を過ごしたいんだ!それじゃあな、悪いが俺はこれで(汗)。(そそくさっと去る)」

舞子「…どうしたの。錦織さん」

剣持「どうも相当夢見が悪かったようですよ。」

翔子「あら……何だか物凄く青い顔してましたけど、平気でしょうか。」

永鉄斎「沈み行く船から一番最初に逃げ出す鼠のようだな。(そりゃ言いすぎ)」

舞子「ふ〜ん、(ぼりぼり)それひゃあ、(ばりばり)夢違えの術でも(もぐもぐ)施してあげれば、(むぎゅむぎゅ)良かったね……。」

近江「おまえなー食ってるときは喋るな。」

剣持「しかしあんなに錦織さんがいやがっているならいっそ取りやめにしても、いいかもしれませんね。皆さんどうです?楽しみにしていた舞子さんには申し訳ないですが全員揃わないのはあまりに淋しいでしょう?錦織さんだけ置いていくのもなんですから。」

翔子「私も、錦織さんを抜かした皆だけで楽しむのは気が引けますから、取りやめにしてもかまわないと思います。それに――実の所こうして皆でお話しているだけでも充分楽しいんです。」

近江「ああ、そうだな。俺もそうだ。」

舞子「うん…こうして当たり前のこと話しているだけでいいよね。あたしも旅行いかなくてもいいよ。」

永鉄斎「へへ、ちょっと臭いぜ、あんたらよお。ま、あんたらみたいに普通の生活を続けられねえ連中にゃあ、今このときが一番いいんだろうな。さ、そうと決まったら早速呑むぜ。」

剣持「永鉄斎さん、ざるですねえ(苦笑)。いいですよ。とことんお付き合いいたしましょう。鍛冶についてのお話もお聞きしたいですしね。」

舞子「ほんじゃ、そういうのは剣持さんたちに任せて近江君、久々に手合わせ。」

近江「ああ。」

剣持「(酒瓶を持ってきて)翔子さんもどうですか?あ、未成年にお酒すすめたらおばあさんに怒られるかな。」

翔子「…少しなら頂きます(微笑)。隣でおふたりのお話を聞かせてもらうことにします。」

剣持「ええ。いいですよ。」

永鉄斎「嬢ちゃん、けっこういけそうだもんなあ(^^)。妹の方は見るからに酒豪って感じだが、あんたも実はいける口って感じだな。」

剣持「おばあさんのお孫さんですからね(^^)」

翔子「(くすくす)そうですか?あ、頂きます。」

効果音「サアッ。(爽やかな午後の風が吹き渡る)」

ナレーション「舞子と近江の威勢のいい声が風に運ばれ、それを耳にしつつ三人はささやかな会話を楽しむのだった。(最後にナレーション出来た〜♪) 彼らのささやかでありながら大切な時間はゆっくりと過ぎてゆく。」

効果音「(爽やか〜かつ明るいBGM)――――――終。」