カルラ劇場の過去ログです。今後の参考にどうぞ。
ナレーション「そして今、剣持と辰王の腕試しが開催(?)されていた」
剣持「こんなところで刃物や礫というのは物騒だからな。呑み比べといきたいところだったが・・・」
辰王「ふっ、俺はどちらでもかまわんぞ。ワインならある」
ナレーション「日本酒派の剣持と洋酒派の辰王である」
翔子「方向性がずれてきたわね。どっちにしろ・・・」
舞子「人騒がせ」
近江「だよな」
ナレーション「辰王、コートから限定魚沼産ワインを出す。」
辰王「どうだこの舌触りと味わいは。すばらしいだろう。特にこの95年の限定ものは………(蘊蓄を語り始める)」
近江「兄さん・・・・いつからソムリエに(汗)」
舞子「あー、でもホントに美味しいよ近江くん♪」
近江「ちゃっかり飲むなよな」
舞子「えー、でもおいしいんだもん♪」
翔子「舞ちゃん。未成年だってば」
舞子「もう長い事未成年やってる気がする………」
千景「お前らはええんじゃ若いから!!ワシなんざ・・・・(ぶつぶつ・・・)」
剣持「何をおっしゃってるんですか。充分しぶとい・・・もとい頑丈・・・もといお元気でお若くあらせられるじゃないですか(何といっても大御所ですからねえ)」
舞子「あー、なんかいい気分になってきた〜♪近江くんも飲む?」
翔子「だめよ、舞ちゃん。近江くんはお酒に弱くてすぐ目を回すから」
舞子「そうだったっけ?もったいないね・・・」
剣持「チャンスかもしれませんよ。近江君。ここでいっそ酔ってしまうんです(いつのまにか忍び寄って小声)」
近江「よ・よしてくださいよ・・・っ。」
舞子「なーに話してるの〜??」
辰王「おい、死繰人。俺との勝負はどうした」
剣持「たまには自分の弟の将来を考えてみるのもいいでしょうに。辰王」
錦織「おお、見事に肴にされとるな。近江。この際酔った方がりこうだぞ。ただし前後不覚は良くないぞ。覚えていないのは色々まずいからなあ(^^)」
近江「………扇とけけけけけ結婚なんかしたら、扇が兄さんに向かって「お義兄さん」なんていうのか………うわぁぁぁ」
千尋「何か、弟が独り言言いながら頭かかえているぞ辰王。」
翔子「すでに酔ってない?近江君(汗)キャラクターが崩れてきたわよ・・・」
舞子「?」
剣持「わかりませんか?舞子さん(近江に怪しげな目線を送りつつ不適な笑みを浮かべる)」
辰王「義妹か・・・・悪くないな・・・フッ」
ナレーション「辰王は酔いつぶれている弟をちらりと横目に見て、つぶやいた」
真奈美「あらあら、皆さん、おそろいで・・・。まあ、近江ったら・・・」
辰王「・・・・・か、母さん・・・」
剣持「おや、お久しぶりでございます。」
千尋「叔母上・・・一体いつこちらへ?てっきり飛騨の里にいらっしゃるものとばかり・・・」
ナレーション「と、そのとき、酒の酔いで意識が朦朧としたままの近江がつぶやいた。」
近江「う・・・・・うーん・・・・み、水をくれ〜・・・」
真奈美「まあ、近江ったら、父親の悪いところばかり真似して・・・」
舞子「おばさん、お久しぶりです〜(^^)」
翔子「お久しぶりです(ぺこり)」
真奈美「ほらほら、近江。しっかりしなさい。女の子の前で・・・」
辰王「か・・母さんは昔からそうだ・・・。近江ばかりを甘やかして・・・・。」
千尋「………(可愛いぞ辰王。と思いつつ、表情は変えない)」
舞子「………それ、やきもち?」
辰王「うるさいっ。お前なんかに俺の気持ちがわかるかっ(珍しく逆上)」
千尋「・・・・かわいい・・・・・(ぼそっ)」
剣持「そりゃ分かりませんよねぇ舞子さん。宗教団体の教主の息子のくせに政治家の私生児扱いされてひねくれて育った盲目のギャンブラーの気持ちなんかねぇ。」
翔子「剣持さん・・・なんだか平然と言ってますけど・・」
錦織「おうおう剣持も辰王に負けず劣らずのひねくれもんのくせに良く言うわ・・・(ボソッ)」
剣持「錦織さん・・・何か言いました?(鍼を構える)」
舞子「たしかにわかんないわ。でも近江君だって苦労してきたんだし・・・初対面の時は排他的で無表情でひねくれちゃってて悩み性――そこんとこは変わってないけど――今は別人みたいに明るいし・・・兄弟仲良くいこうよ(^^)」
翔子「舞ちゃん。それフォローになってないわよ(汗)」
真奈美「洋江。そんなに母さんがあなたを思っていないように見えたの・・・(哀しげな顔)」
辰王「・・・・母さん。・・・・・いや、感情的になったまでだ。――悪かった」
剣持「素直でよろしい!」
辰王「お前にいわれたくはない!!」
ナレーション「辰王は、鬼礫を手のひらの中で強く握り締めた。」
剣持「あなたたち兄弟はお母さんがいていいじゃないですか。私は両親の顔すら覚えていないんですから・・・」
翔子「・・・剣持さん・・・(そっと気遣う)」
錦織「酒宴の場は一瞬陰鬱な様相を呈した。」
魅冬「ああ、もう若者のくせに湿っぽいこと。私だって母さまのお顔なんてとっくに忘れてしまっていてよ!」
ナレーション「と、今まで少し離れた場所で彼ら若者たちを見ていた魅冬が突然立ちあがった。」