カルラ劇場の過去ログです。今後の参考にどうぞ。
剣持「(このまま引き下がるのはしゃくにさわりますね・・・。)」
近江「考えてるな、何かを・・・(汗)」
錦織「(うわ〜〜あれは剣持が獲物を見つけたときの目だぞ・・・・おいおい次ぎは何をしでかす気だ・・(−−;)」
剣持「あ〜らお兄さんがたありがと!とっても嬉しいわ(異様なしなを作って」
辰王「ざ〜〜〜〜〜っ( ̄□ ̄;)!!(砂を吐く)」
錦織「・・・・・・・・・・・・・!!!!」
冬樹「――――――――――!!なっ、(大汗)」
効果「ぴしいっ!!空気が異様な熱をはらんで凍りついた・・・・・。」
ナレーション「おっとナレーションの仕事だったぜ。」
錦織「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・もったいない・・・・・。」
舞子「えっ、何がもったいないの。錦織さん」
千景「これはこれでいいのかもしれんな・・・」
近江「いろんな意味でしゃれになってないような……(汗)」
魅冬「いやー!!冬樹さん、しっかりなさって!!真っ青よ!」
千尋「辰王があ〜!!砂を吐くなんてええ!!辰王のイメージが〜!!」
ナレーション「愛しい男たちの茫然自失に取り乱す彼女たち」
千尋「鬼礫術、顎召喚!!!」
ナレーション「咄嗟に鬼礫を構えた千尋は、剣持に向かって畜霊召喚で攻撃をかけた。」
千尋「辰王のイメージを壊す奴は許さないっ!」
辰王「やめろっ、千尋!」
ナレーション「辰王が止めるのも間に合わず、剣持は顎の攻撃を正面から受けてしまった。あまりに突然で、彼は結界を張るのに間に合わなかったのだ。」
剣持「ぐあああっ!!!」
ナレーション「一瞬、剣持の視界は闇と化した。」
翔子「柊さん、なんてことをっ・・・。」
魅冬「いいえ、翔子さん。せっかくですから、陰陽師殿には、もう少し、おしおきが必要ですわ。」
ナレーション「周囲で少女達の声がする・・・しかし、それは徐徐に遠ざかっていき、剣持の意識も途切れていった。」
効果「♪か〜ごーめ、かごめ〜、かーごのなーかの」
ナレーション「どこからか、童歌が聞こえる。」
効果「♪鳥は、い〜つ、いーつ、でや〜る、夜明けの晩に〜♪」
ナレーション「初めおぼろげに聞こえていたわらべうたは、今度ははっきりと剣持の耳に響いた。」
効果「♪つーるとかーめが、すーべった〜、後ろの正面、だ〜あれ〜♪」
ナレーション「がばっ、と起きあがった剣持は周囲を見渡した。辺りは、荒涼とした古戦場跡が薄暗い雰囲気の中にひたすら続いているのみだった。」
剣持「ここは・・・一体・・・・どこだ?!」
ナレーション「あれだけ大勢いたはずの酒宴の場は消えてしまっている。しかも、剣持の身体はなんだかふわふわとした現実感のない奇妙な感覚に覆われている。」
剣持「これは・・・夢の中なのか?!・・・いや、何かおかしい・・・」
効果「ふふふふふ・・・・・あはははははは・・・・・」
ナレーション「あどけない、透き通ったような童女の笑い声が、古戦場跡を不気味に木霊した。瞬間、全身を緊張させる剣持。」
魅冬「ようこそ、私の世界へ。」
ナレーション「振り返った剣持が目にしたのは、荒涼とした野原に突如としてそびえ立った呪木子の巨木の枝に、優雅に腰掛けている童女の姿であった。」
効果「カラカラカラ・・・(嘲笑のような、乾いた枝同士がこすりあう音がどこからか響いてくる)」
ナレーション「美しい少女は珠玉のように笑んだ。」
剣持「魅冬・・・おや?(剣持は首をひねる)――この展開はどこかで見たことがあるような・・・そう、まるであの某吸血姫――」
魅冬「お黙りなさい!(突如遮って)それ以上口になさると『カルラ舞う!』ではなくなってしまってよ!」
ナレーション「ぴしゃりと遮る魅冬である。そういう問題ではないのではあるが、この少女と某ヴァンパイアが似ているということは確かである。」
魅冬「ともかく!冬樹さんのため、私はあなたにお仕置きをいたします!!お覚悟!」
剣持「・・・愛ですねえ(妙にのんびりとうなずく)。」
ナレーション「その頃会場では床に伏した剣持と魅冬の周囲を、残りのメンバーが取り囲んでいた。」
舞子「大丈夫かなあ・・・・夢の中で死んじゃうとほんとに死んじゃうんだよね」
翔子「心配しているように聞こえないわ・・・(汗)」
錦織「奴のことだ。死なんだろう(あっさり)。」
千景「仕方がない。本来ならやってはいけないことなのだが、緊急事態じゃ。翔子。八角遠見をやるぞ。」
翔子「あ・・・はい。迦楼羅天之書感応術――」
千景「八角遠見!」
効果「スーッ・・・(二人がかりのちょっとアレンジの効いた八角遠見によって会場の一隅に映像が浮かび上がる。ちょうど映画のように)」
ナレーション「それは剣持と魅冬の精神世界の映像であった。いわゆる覗き見、である。」
錦織「おー、見える見える。」
舞子「かなりサバイバルな展開になってるみたいだね」
翔子「感情を表に出さないでね、バレるわよ。」
近江「相手は剣持さんですからね・・・・。案外、もう気づいているんじゃ・・・・。」
ナレーション「おりしも映像画面から」
剣持「その通り。ばればれですよ。」
ナレーション「ぎくっ………とみんなこわばる」
剣持「剣持、思いきりカメラ目線。」
ナレーション「自分でナレーションをする剣持だった」
剣持「あ、すみませんね。ナレーターさん、お仕事奪っちゃって」
魅冬「ちょっと、何を次元のずれた会話をなさっているの?状況を把握なさい」
近江「状況っていったって・・・ねぇ、兄さん(^^;)
辰王「なぜ俺に同意を求める?だが死繰人を殺るのは俺だからな、あの娘に殺させるにはもったいない。さてどうするか・・・」
翔子「あら、でも、彼女の場合一思いには行きませんから、時間はたっぷりあるんじゃないかしら。」
ナレーション「かなり恐ろしいことを平然と言う翔子であった・・・」
舞子「翔ちゃん・・・あたしのこと言えないじゃんよ・・・(汗)。」
近江「・・・・・・さすがは双子・・・・(しみじみ)。」
錦織「血だるまは嫌だぞ。剣持のスプラッタなんざ夢見が悪くなりそうだ。」
辰王「俺も楽しくない。」
千尋「あたしは楽しい。」
千景「さてさてどうするかの。」
ナレーション「みんな鬼である。」
千景「鬼といえば、司はかくれんぼが得意であったからな。上手く逃げおおせるじゃろ。」
ナレーション「剣持司は少年時代、あまりにも隠れるのが得意だったため、みなに忘れられたままちょっぴり淋しい思いをしたという過去を持ってもいた。」
近江「あ、俺もそれあったなあ。」
舞子「………(^▽^;)(なんかヤな師弟だなあ)」
ナレーション「そんな画面の(?)むこうでの緊張感のなさすぎる会話を耳にはさみつつ剣持司は、持ち前の逃げ上手を生かして呪木子の枝を次々と交わしていた。」
剣持「信用されてると言えるんでしょうかね。あの人達ときたら(苦笑)。」
魅冬「まあ・・・凄いわ。逃げるのも早いけど隠れるのもたくみね(^^)。気に入ったわ。でも素直に刺されて欲しいのだけど。ちょっと痛い目に遭ってくれればいいの。お仕置きだから」
剣持「竹串、ですか?あれは血があまり流れない割には痛そうですね。しかし非常に効果的だ。なにも血を多く流せばいいってものじゃない」
魅冬「そうそう。そうなのよ。素人にはそれがわかってないのよね。確かあなたは鍼の使い手ですものね。さすがにわかってらっしゃるわ(はぁと)」
ナレーション「思わずふたりの会話が弾んだ・・・」
舞子「――なんか、息投合してるよ・・・・」
冬樹「魅冬様・・・どんな魅冬様でも俺はついていきます!」
近江「・・・惚れた弱みってやつか。」
真奈美「あなたにもあるんじゃないの?近江(あくまでにっこりと)」
近江「か、母さん・・・いきなり・・・・」
真奈美「近江、いい恋をしなさいね。母さんは応援しているわ(^^)」
錦織「若者は大変だ(^^)。」
剣持「若者…」
真奈美「あら、それじゃあなたも若者のお仲間かしら?剣持さん(^^)」
剣持「酷いですねえ・・・私だって若いです。まだ20代なんですよ。」
ナレーション「と、剣持は穏やかなほほえみを返した。」
魅冬「まっ!悔しいこと。私は身体が10代で止まっているのに!私だって・・・私だって・・・もっと大人っぽい体格に成長してみたかったわっ!」
ナレーション「冬樹の瞳が、きらりと輝いた。」
冬樹「魅冬様、そこは魅冬様の夢の世界ですよっ、イメージすれば、何でも実現するんですっ!」
ナレーション「魅冬が成長した姿を一度でいいから見てみたい・・・その欲望が、冬樹をいつになく駆り立てたのだ。」
魅冬「はっ・・・そうだったわ!その手があったのね!」
ナレーション「明かにその発想には思い当たっていなかったらしい。魅冬はぽん、と手を叩き「呪木子お願い!」とおもむろに胸に手を当て、某セー○ー戦士のような大仰なポーズを取った!これは可憐な少女がやるから許されるのである・・・」
効果「ぱあっ。(どこからか燦然と輝くライトが魅冬を照らす。一瞬の後――)」
ナレーション「そこには、18、19くらいの少女が立っていた。」
効果「――おお〜〜っ!!!」
ナレーション「一同から嘆息が洩れる。まごうことなき絶世の美少女だ婉然と微笑んでいる。」
剣持「おや、ナレーターさんも驚きのあまりどもっていますね。」
ナレーション「これは失礼。」
近江「あんた、誰だよ。」