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カルラ劇場の過去ログです。

近江「さっ・・酒なんかのんでない！！そうじゃなくって・・・・（有らぬ方を向いてごにょごにょと言っている）」

翔子「剣持さん、近江君に何本かうって下さいよ。うふふ、、、。」

剣持「自分の気持ちを素直に言えるつぼがあればうつんですけどね．笑。」

近江「（きっ！）・・・・それはご自分も含めて、という意味ですか剣持さん？！」

ナレーション「最近いじめられ通しなので、ささやかな反撃を試みる近江である。」

近江「吾妻流のおねえさんはどうなんですかっ。」

ナレーション「酔っていなくては言えないセリフである。」

剣持「わたしの年齢になればしのぶ恋ってものがわかるかもしれませんね。ははははは」

ナレーション「舞子は意味があまりよくわかっていないにもかかわらず笑っている。」

永鉄斎「ねえちゃんちょっとにぶいんじゃねえか。なあ、近江？」

ナレーション「ますます赤面の近江であった。」

錦織「ところであでやかなお二人を前に無粋だが、仕事の話だ。」

永鉄斎「見合いじゃなかったのかよ。」

錦織「両方兼ねてなければ、ここにいませんよ。」

ナレーション「近江の安堵を剣持は見逃さない。けれど、次の一瞬表情が変わり杯を置いた。」

剣持「…で、どのような？」

錦織「ああ、おまえのお膝元の話だ。」

剣持「鎌倉の、れいの一件ですか？」

錦織「やはり耳に入っていたようだな。」

剣持「まあ、」庭みたいなものですからね。」

ナレーション「顔が真っ赤な近江はちょっとご不満」

近江「な、何なんですか？鎌倉で何があったんですか？」

永鉄斎「俺も聞いてていい話しなのかよ?」

剣持「ええ。かまいませんよ。ねぇ、錦織さん?」

錦織「ああ。永鉄斎さんにも手をお借りすることになるでしょうから聞いていて下さい。」

舞子「大事だね・・」

ナレーション「舞子も瞬時に表情を曇らせる。」

永鉄斎「聞かせろよ。」

ナレーション「全員の目に鋭さが増した。自然と額を寄せる。…ひょんに近江は、舞子が隣にいることに気づくとどぎまぎしている様子だ。」

翔子「廊下で立ち話もなんだわ。とりあえず、藤の間に行きましょう。」

剣持「・・・そうですね。うら若いお嬢さんがたに風邪を引かせては、おばあさんに、申し訳が立ちません。」

ナレーション「そして一同はやっと藤の間に向かって歩き出すと、」

匠「ああ、みなさんこんなところに居たんですか。探しましたよ。藤の間はこっちですよ。はい、池田さん。剣持さん。」

ナレーション「向こうからワゴンを押してあらわれた匠が、」

近江「匠！てめえ、なんだよこれ」

匠「なにって、お茶ですよ。剣持さん。とりあえず前菜です。」

舞子「あ、そっか。近江君お茶汲みだったよね。あたし先に行ってるからがんばってね。」

ナレーション「笑顔で手を振る舞子。軽く会釈する翔子。なんとも複雑な表情の錦織が、匠に案内されて向こうへと姿を消していった・・・。」

永鉄斎「おっ、とうとう始まるな！これからがおもしれぇ・・へへっ」

近江「ちょっ…!おい!!待てって!!…匠!おまえがやれっていったろうが!!」

匠「残念ながら…僕には他にやらなきゃいけないことがたくさんあるので…では。」

ナレーション「怒りに任せて茫然自失状態の近江と、なにやら微笑んでいる剣持を残し他の一行は藤の間へと向かっていった。」

近江「あいつ…いつか、絶対に殺す・…!」

剣持「まあまあ（汗）…それより近江君、どうです??似合いませんか?」

ナレーション「…（動揺中）何故か黒子姿の剣持」

近江「・・・・・・怖いほど似合ってますけどね。何を考えているんですか？（眉をひそめる）」

剣持「それは、ひみつです。（ニヤリ）」

ナレーション「藤の間には、先ほどの和やかな空気は薄れ張り詰めた空気が流れていた。」

永鉄斎「おまえらころころ変わるな」

ナレーション「永鉄斎はお祭り気分が大好きなのである。」

剣持「錦織さん、かいつまいいでお話していただけますか？」

錦織「ああ、この所ある墓が異常をに増えているんだ。」

永鉄斎「墓が増えて結構じゃねえかよ。葬式屋はばんばんざいだな。」

錦織「それがただのはかじゃない。形が、、、。」

剣持「鎌倉時代の様式の五輪塔なんですね。」

錦織「そうなんだ。鎌倉のあちこちにちらばっているものがばらばらに組み合わされている、、、。」

剣持「その手のだったら昔奈良で、千景さんと仕事したことがあります。」

錦織「いや、今回は一筋縄ではいきそうにもない。死人がでてはいるんだが、邪法の感じがしない、という感じだ。」

舞子「えーっ。それだったら問題ないんじゃないのお？」

錦織「死に方が問題なんだ。五輪塔のそばで、縁もゆかりもない人間が心中したかのように死んでいる、、、。」

永鉄斎「それじゃあ、葬式屋も喜べねえな。」

ナレーション「その時、奥のふすまから湛が現れた。」

湛「・・・今日は見合いだと聞いていたが、そのわりには多少人数が多い気がするのだが・・・。」

ナレーション「そこに遅れて入ってきた近江。その片手にはお茶が。近江の鋭い眼光が湛を貫いた。」

近江「湛！！」

湛「誰かは知らないが、どうやら予定より人数が増えているようだ。お茶汲み君、湯飲みの追加を頼む。」

舞子「湛え」

翔子「舞ちゃん落ち着いて。」

舞子「あ、ごめんなさい。湛さん!お久しぶりです！！」

湛「ああ。扇舞子君、久しぶりだな。武道もいいが、そういう格好も良く似合っている。」

舞子「えっ・・・」

ナレーション「嬉しそうな表情の舞子と反比例して不機嫌になる近江。」

永鉄斎「譲ちゃんが赤くなってるぞ。いってーこいつは何者なんだ?」

舞子「湛さん！ものすっごーく強いの！！」

永鉄斎「まあ、そう大声でうれしそうに言うなよ。、、、。つらいな、近江。」

近江「何がですか？」

永鉄斎「男は時に耐えねばならぬ事もある。修行だな。うひゃひゃひゃひゃっ。」

舞子「？なんで辛いの？近江君だって強いじゃない（にっこり）。」

湛「よくわからないが、舞子君の強さはすでに私を超えているのではないかな。私はもうこれ以上高みに行きそうもないが舞子君なら高みにまで行くだろう。大したものだ。」

近江「その点は同感だ。（俺も負けないけどな）」

舞子「ありがとう。ふたりとも（にっこり）。最高に嬉しい。」

翔子「はいはい（＾＾）。本題に戻って。」

錦織「でだ、五輪塔の件だが、、、。」

ナレーション「その時、一同顔を見合わせる。」

近江「な、なんなんだ。頭の中に勝手に映像が入ってくる。」

翔子「誰かがあたしたちに何かを伝えようとしているんだわ。」

剣持「ええ。確かに。奈良での幻視とは全然違うものだ。」

舞子「おっもしろーい（無邪気）」

翔子「舞ちゃんも見えてるんでしょ？」

舞子「ウーン。霧がかかってるみたいでよく見えないや。」