カルラ劇場の過去ログです。
ナレーション「そこに狂った様に除夜の鐘を突き続ける扇千景の姿が!!!」
効果音「ごんごんごんごんごんごんごんごんごんごんごんごんごんごんごんごんごん♪」
近江「くっ・・・酔いの回った頭に響くぞ・・・な」
剣持「なんだ・・・これはいったい・・・」
翔子「おばあちゃん???」
錦織「翔子ぉぉぉぉ・・・舞子ぉぉぉぉぉ」
ナレーション「と、突然、がくっと首をうなだれてテーブルに」
効果音「ごん」
ナレーション「と頭を打ち付けた錦織の喉から、扇姉妹の祖母の声が漏れだした。」
舞子「憑依?!」
翔子「おばあちゃんの生き霊が、錦織さんに憑依しているの?!」
錦織「(千景の声で)・・・そのとおりよ。」
近江「!? 」
湛「ちょっと待ってくれ。舞子君、なにがどうなっているんだ?」
舞子「あたしもよくわかんないんですけど、温泉旅行にきたら実はおばあちゃんがお見合いを用意してて、でも、鎌倉で何かあったみたいなんです。」
翔子「あら、舞ちゃん。状況を把握できてたのね、すごいわ。湛さんの前だからかしら?
舞子「もう、翔ちゃん! でもなんか話し難しくなりそうだね。湛さん、外に行きません?」
湛「それもそうだな。」
錦織「(千景の声で)ちょっと待て。・・・状況を説明してやろう。実はな、鎌倉の五輪塔がばらばらにされている事件では、その近隣で若い男女が必ず別れてしまう、という被害があちこちで起きているのだ。これはおそらく・・・親の命ずる結婚を嫌って心中した鎌倉時代の武者と姫君の怨霊の仕業らしいのだ。」
剣持「なるほど・・・彼らの霊を浄化させるためには、彼らの無念を、つまり、結婚を無事遂げさせてやる、ということが必要なのですね。」
錦織「(千景の声で)そのとおりだ。さすが、司は飲み込みが早いの。」
剣持「いやあ、それほどでも。」
近江「・・・で、何故に、お見合いなんです・・・(こめかみがひくひく言っている近江)」
錦織「(千景の声で)わからん坊主だな。恋人達の霊を成仏させてやるには、術者が彼らの代わりに・・・・」
永鉄斎「ひゃっひゃっひゃ。おもしろいじゃないか。」
舞子「結婚すればいい,と。…ちょっと待ってよ!!おばあちゃん!あたしたちのどっちかに結婚しろってこと?!」
錦織「(千景の声で)・・・何も今すぐ結婚しろとは言っておらんぞ。第一、わしの命令でお前たちを結婚させたら、心中した霊達と何も状況が変わらんだろう。」
剣持「それもそうですね。」
舞子「なんか、、、。もっと命の取り合いにまでなる事件かと思ったけど、そうでもないみたい。ね、翔ちゃん。」
翔子「うん。だったら別に結婚がどうのっていうんだったらあたしたちの出る幕でもなさそうな、、、。」
近江「だよな。術者でなくてもいいんじゃねーの?」
ナレーション「ちょっと風向きがよくなり方向をそっちに持っていきたい近江くん。」
近江「なんで事件の起きた近所の色恋沙汰に俺達がかかわんなきゃいけないの?」
翔子「もしかして、この件、それだけじゃないんじゃないのかな?」
永鉄斎「なあんだ、せっかく近江と誰かの結婚式が見れると思ったのに、、、。ちぇっ、。」
近江「人の人生おもちゃにして楽しいか?じじぃ。」
永鉄斎「ああ、楽しいね。」
ナレーション「きっぱり答える永鉄斎。その上、特に近江はおもちゃにしがいがあると目が言っている」
永鉄斎「ま、年輪てやつだな.未熟者」
剣持「永鉄斉さん、なんだかもう近江くんの実のおじいさんみたいですね。(結婚式を楽しみにしてるところなんか特に)」
近江「俺のじいさんはぁ,俺のじいさんはかのスクナイチイゾクのぉ,幹部だった柊家の当主(元)だったんだろうさっ!!!!!!酒飲みのスリ野郎なんかと一緒にするなーーーーー!!!!」
永鉄斎「まぁ、俺が後立派な奴じゃねぇのは確かだがな(にやにや笑ってます)」
ナレーション「だが別にスクナ一族の(中略)当主が御立派だと言うわけでもないような気がしないでもない。」
近江「ナレーター!私語が多いぞ!」
ナレーション「………、随分話の進みが悪いようですが、みなさん展開に困ってませんか?」
舞子「そおなのよねー。設定が細かすぎて、自由に動けないっていうか。」
翔子「設定を作った方がいる以上、その方のプロットから大幅に外れて動くのもどうかと思われたりとかね・・。(リレーでそれも変な話ではあるのだけれど)」
匠「錦織さんと翔子さん、湛と舞子さんのお見合いを邪魔しようとする念の存在も感じられますし。(いつからそこにいたんだ匠・・)」
湛「・・・(無言で酒を飲む)」
剣持「無礼講にしましょうか( ̄ー ̄)ニヤリ(←何かをたくらんでいるらしい)」
近江「結局そうなるのか・・・」
湛「・・・舞子君、場所を変えるぞ!」
舞子「え? あ、はっはい!」
ナレーション「突然舞子の腕をつかみ、湛が藤の間から飛び出して行った。」
永鉄斎「先を越されたな。」
剣持「おやおや、しかも鎌倉のお二方も憑いていってしまったようですね。」
近江「なっ……!ちょっと待て!!」
ナレーション「とっさに、構える近江。」
近江「走れ!鬼礫の五茫星!」
ナレーション「だが湛に取り憑いた男の霊が死に物狂いで避けようとし、湛の身体を動かして避けた。はたから見ると(見える人には)なんだかお茶目。」
近江「ちっ」
ナレーション「率先して追う近江。とりあえず他の皆も追ってみる。」
永鉄斎「手に手を取って(掴んでいるだけだが)逃げる男女。追う男(ニヤリ)……。」
翔子「何わけのわからないことを言ってるんですか。永鉄さん(汗)」
剣持「(走りながら)楽しんでますねー永鉄さん。」
永鉄斎「いんやー若者を茶化すことほどおもしれえことはねーからなあ。」
剣持「あんまりやりすぎると痛い目見ますよー。」
ナレーション「ちなみに永鉄斎、剣持におぶわれている。剣持不承不承といった表情で背負ってあげている。敬老精神のある男である。」
錦織「……はっ。俺は一体。」
ナレーション「千景に乗り移られていた錦織だったが、意識を取り戻した。なぜ自分が他の連中と一緒に走っているのか面食らう。」
近江「(追いつつ)くっ。なんて速いんだ。あいつら。乗り移られているせいか?(ただでさえ舞子はオリンピック金メダリスト顔負けに速いってーのに)」
ナレーション「様々な人の思いを後ろに、快走(?)を続ける湛と舞子(憑依バージョン。ただし、本人の意識も半分はある)。ここは旅館なので騒がしくしてはいけません。」
翔子「この旅館広すぎるわね……。あっ、角を曲がるわよ!」
ナレーション「もはや単なる鬼ごっこと化しております!私、ナレーターも走っております。なかなか根気のいる仕事です!(ぜえぜえ……)」
剣持「翔子さん、大丈夫ですか?つらいならいつでも永鉄さんを放って支えますよ。」
永鉄斎「おい、なんだよ。そりゃ。そりゃなあ、こんなじじい背負うよりは若い娘をおぶるか、抱き上げた方がいいだろうけどよー。」
翔子「――あっ!」
ナレーション「と言ってる間に翔子が着物の裾につまずき転んでしまった。」
剣持「翔子さん!」
ナレーション「ただちに永鉄斎を放りだし、翔子を支える剣持だった。」
翔子「すみません。剣持さん。」
剣持「いいんですよ。普通着物ならつまずいて当たり前です。着物で全力疾走して転ばないのは舞子さんとおばあさんくらいです(汗)。」