カルラ劇場の過去ログです。


舞子「なーんか言ったーーー?」

ナレーション「すでにその声が遠ざかる。」

剣持「・・・ドップラー効果ですね。」

近江「が・・・・学があるとこを見せなくていいですから(ぜぇぜぇ)、あの二人を掴まえましょうよぅ(はぁはぁ)」

効果音「(永鉄斎の口笛の音)ヒュ〜♪」

永鉄斎「ま、頑張れや。剣持、覚えてろよ。俺を放り出しやがって。ぎっくり腰が再発したらどうしてくれる。」

剣持「その時は鍼を打ってあげますよ。(にっこり)」

永鉄斎「そーかいそーかい、そりゃどうもありがとうよっっ」

効果音「ビュウッ!」

ナレーション「そのとき、舞子たちを追う近江達に向かって臼がすごい勢いで飛んできた!」

近江「おわっ!」

効果音「どごっ。」

近江「見事なまでの反射神経で臼を拳で割る近江である。「甘い!」と叫びつつ再び追い続ける。」

ナレーション「あ、私の仕事でした。ごめんなさい!」

近江「なんで俺が自分のナレーションをせねばならんのだ!ってそれどころじゃない!」

効果音「ゴウッ!」

近江「今度は杵かぁーーーーー!!」

翔子「なぜ臼と杵なのかしら。」

ナレーション「翔子の疑問は横に置かれ、投げつけられた杵はまたも近江に叩き折られた。」

効果音「ばきいいいいっ」

近江「ふう、なんなんだこれは・・・って・・・な、なんだと?!」

効果音「ヒュンッ!」

近江「も、餅?!!うわっ!!」

ナレーション「たまらずよける近江。そして餅は真後ろの剣持の顔面にヒットした!!」

剣持「あぶっ!!」

ナレーション「とっさの事に護法をかける間もなく、顔も髪も餅がからまりネッバネバである。」

翔子「剣持さん・・・汚らしいわ。」

錦織「剣持!翔子さんは俺に任せて、お前はその髪を風呂で何とかしてこい!!」

ナレーション「と言うやいなや、さっそうと翔子を抱きかかえ走り出す錦織。」

永鉄斎「けっけっけ、ざまあねえな剣持さんよ。」

剣持「ち、ちくしょうぅ・・・

ナレーション「捨て台詞を吐きながら剣持は浴場へと消えて行った。」

翔子「・・・ドップラー効果ね。」

近江「お前…結構冷たい?」

翔子「失敬な!それより『ちくしょう』なんて剣持さんらしくないわ!」

永鉄斎「しょうがあんめえ、ご自慢の顔と髪がこともあろうに餅まみれなんだからな〜。」

翔子「フフ・・・それもそうね。やっぱり男の方は短髪よねえ。

近江「俺、お前が何を考えているのか全然わからない・・。」

ナレーション「人知れず、悩む近江。」

翔子「悩んでいる暇はないわよ。」

ナレーション「翔子は餅の飛んできた廊下の向こうを見据えた。」

錦織「一体どこに向かっているんだ?」

翔子「あの二人、憑かれてるって訳じゃないようだわ。鎌倉のお二人が舞ちゃん達にくっついているだけみたい。 」

永鉄斎「ってぇことは、あの兄ちゃんについていったのは嬢ちゃんの自由意志ってことだな。せっかくふたりになろうとしてんだ。邪魔すんのは野暮ってもんだぜ。」

翔子「それもそうだわね。もともと私たちのお見合いだったんだし・・・。錦織さん、私たちもこのままどこかに行きません?」

ナレーション「錦織に抱えられながらにっこりと微笑む翔子。」

錦織「しょ、翔子さん・・・(///)」

ナレーション「まんざらでもなさそうな錦織。」

近江「剣持さん…(汗)」

ナレーション「『あんたはどう思ってるかしらんがこの女は相当の食わせもんだぞ』と近江は今は風呂場で懸命に餅と格闘している剣持に心の中で忠告した。」

翔子「なんですって!?」

ナレーション「人の心を読み取るエスパー翔子。やはりカルラ神教第38代目当主の名は伊達ではなかった。」

近江「ん?なんだ?(まあ、舞子も食えないからなー……)――ってこんなところで掛け合いしている場合じゃなかった!」

錦織「それもそうだな。」

効果音「ドスン!」

近江「な、なんだ!?」

錦織「な・・・なにぃ?!」

効果音「ドスン!…ぺったん」

ナレーション「ちょっと見てきましょう。――おお!?どうやらふたりとも転んだ模様です!さすがに人間超えたスピードは狭い宿の廊下ではむしろ邪魔になったようです!」

近江「(よし、チャンス!)」

ナレーション「ピッチをあげ、ついにふたりに追いつく近江である。」

近江「舞子!(多分呼び捨てしたことに気付いてない)」

舞子「あいたたた、……ん?近江くん。足が勝手に動くんだよ〜どうしよ。『赤い靴』みたいだ。あ、湛さん大丈夫?」

「……ああ、さすがに宿の廊下で転ぶとこたえるな。」

近江「扇!(と有無をいわせず舞子の腕を引っ張る)」

舞子「どうしたの!?怖い顔して」

近江「除霊するんだ。」

翔子「ええっ!?…なんかいるの?ここ。」

錦織「翔子さん??」

翔子「あら失礼。つい舞ちゃんの心を読んでしまったわ・・・。」

ナレーション「またしてもエスパー翔子の本領発揮である。」

近江「例の鎌倉の2人がついてきてんだよ!」

舞子「え、そうなの?よし、わかった、それじゃやろう湛さん。・・・・近江くん、危ないからさがってて!!」

近江「ガー−−−−−−ン!!!!!」

ナレーション「石化する近江をよそに、懐から地の書を取り出す舞子。」

翔子「(…舞ちゃんも、読心できればいいのにね(^^;)近江くん気の毒に)」

近江「オレは弱いからなぁ〜〜・・・」

ナレーション「いつもの卑屈モードに入る近江。」

舞子「ねえ、翔ちゃん、霊はどこ?」

ナレーション「きょろきょろする舞子。」

翔子「待ってね舞ちゃん、今見せるから…カルラ天の書感応術!――喝破!!!」

効果音「カッ!!……どよ〜〜〜ん」

ナレーション「そこにはでっかいおばー様の顔が!!!」

舞子「ぎゃー!何これ!!!」

翔子「って、おばーちゃんに発言権はないわよ?」

「『そんなことはどうでもいいわい!!』」

ナレーション「またしても妖怪…げほっ、いやおばあ様は手近な人物の口を借りて語った。」

「な、なんだ?!口が勝手に・・・!!」

翔子「完全に支配されてはいないようね。」

「『翔子、舞子、お主たちこの霊どもをどうするつもりじゃ!!』」

舞子「え〜?玉縛じゃないの〜?」

「『このたわけがぁーーーーッ!!!』」

効果音「ガッ」

近江「う、うわぁ〜〜〜〜〜!!」

ナレーション「ほとばしる千景の気に吹き飛ばされる近江。」

永鉄斎「ふう、耐えるのがやっとだぜ・・・。」

「そ、そうですね。」

錦織「なんて気だ・・。」

「『お主らも扇家当主を名乗るならちゃんと浄化させんかい!!』」

舞子「そっか〜、そうだよね。じゃああたし達に憑依させて、結婚しちゃおうよ。ねっ、湛さん!」

近江「なんだとー!?」

ナレーション「吹き飛ばされたかに見えた近江だが物凄い速さで(人間業じゃござんせん)戻って来て叫んだ!」

舞子「冗談だよ。そんな凄い形相しなくても(汗)。」

翔子「でも偽造結婚っていうのもいけるかも・・・・・・」

近江「(冗談!?心臓に悪いことを――そうだ!偽造という手が)そういうことなら俺と結婚しろ。ま――(一瞬ためらってから)舞子。」

効果音「オオオオオオーーーッ!!!」

ナレーション「どよめいています!一同!」

近江「はやしたてるな!(///)。一時的なものだ(あくまで今回は浄霊のための偽造なんだからな)。年は近いし、気心も知れてる(はず)。俺にしとけ、一番無難だぞ。」

舞子「(///)いやぁ、近江くん、ほんとのプロポーズかと思ってどっきりしちゃった……。」

「ところで水を差すようですがこの会話、二人の霊に聞かれていたら目論見が意味をなさないのでは?

「『大丈夫じゃ。彼らは今のところわしが抑えておる』」

「そ、そうですか(なんか湛の口からおばあさんの言葉が出てくるのってとてつもなく怖いんだけど/汗)」

近江「というわけで結婚しよう。」

ナレーション「どさくさまぎれに突っ走る近江。」

舞子「でもたとえ偽造でも、あたしより弱い人と結婚するのやだなー。」

翔子「私も弱い弟はほしくないわ。」

「じゃあやっぱり湛ですね。」

「私は構わないが。」

舞子「じゃあ決まりだね!(うっとり)」

近江「(ぶちっ←切れた?)何が『決まりだね!』なんだ?」

錦織「ちょっと待て(汗)。落ち着け近江。おかしくないか?舞子さん、先ほどから君の言動と行動は矛盾してるぞ。これはもしかして憑依されてることによるのか?」

ナレーション「矛盾しているというならキャラ全員矛盾している。」

「それどういう意味ですか(汗)」

翔子「みんな人格分裂してるわよね。」

錦織「そういう翔子さん。君だって―――もしかして!酔ってるのか?」

翔子「え?そういえば温泉に入ってたとき大分呑んだような気がします。あれって水じゃなかったんですね。身体が熱いのはのぼせているからかと思ってました。」

錦織「な、なるほど(それでいつになく鬼畜なんだな)。舞子さんもかなり出来あがってるな。酔いと憑依によって人格分裂?(汗)――ああ、俺はどうしてこう安らかな休暇を迎えることが出来ないんだっ!!」

近江「酔ってる?―――――――それならまあ、今の発言は大目に見てもいいが。大体普段扇は(舞子も翔子も)人を傷つけるような発言をするような奴じゃないしな。」

錦織「いかに酔ってても人を傷つける発言はよくないなあ。舞子さんに翔子さん(といきなり諭し始める)」

剣持「やれやれ、ようやく餅がとれました。」

ナレーション「闇の死繰人再登場。」

剣持「ついでに酔いも取れました。どうやら私もかなり酔っていて人格が一瞬壊れていたようですね。不覚でした。」

錦織「おう、剣持。ややこしいことになってるぞ。相変らず。」

剣持「ええ、聞こえてました。近江くん、あなたは決して弱くなんかありませんよ。私の見たところ舞子さんとあなたは互角です。それに近江くんの実力を誰より認めているのは舞子さんなんですから。酔った上での言葉ですから気にしないように(優しく笑みかける)。」

近江「ええ、わかってますよ。でも――さすがに堪えましたので、俺は今から切れます。」

剣持「え?」

近江「舞子、悪い!」

ナレーション「まさしく、電光の如く、近江の拳が舞子のみぞおちに決まる。」

舞子「え?……あっ(暗転)」

近江「意識があると憑依した霊に操られて事がよりこじれるからな。すまん。じゃ、行こうか。」

剣持「どこに行くんです?」

近江「とっとと式場見つけて偽装だろうが何だろうが結婚さえすませてしまえばいいでしょう。まだ二体の霊が文句言うなら今度こそ問答無用で吹き飛ばしてやる。」

剣持「あ(汗)。ほんとに切れましたね。冷静に見えるだけにより怖いですよ。」

「『(またもやばあちゃん乗り移る)それをまっとった。さっさといかんか!坊主。』」

近江「では遠慮なく行かせてもらいます。(気絶した舞子を抱えて)」

ナレーション「走ろうとする近江・・・しかし・・・背丈の近い人間を抱きかかえて行くのは困難。」

近江「おわっ?!」

効果音「バタッ」

「ちょっと待ちたまえ、お茶汲み君。」

近江「誰がお茶くみだって?」

「君に彼女を渡すわけには行かない。」

近江「ほう。面白いことを言うじゃないか(不敵に笑う)。」

ナレーション「(ごくり)ちょ、丁丁発止です・・・・・・。緊張が・・・・・・」

永鉄斎「近江が負けるに三千円」

剣持「近江くんを応援しているんじゃなかったんですか?それより今の今まで大人しかったですね、永鉄さん」

永鉄斎「いんやー何か口寂しいんでよ、ちょっくら酒でも買ってくっか、と思ってな。買ってきた(焼酎片手)。」

ナレーション「のほほんと永鉄斎」

永鉄斎「ほれ、坊主。おめーさんもさっきからだんまり決め込んで、つまんねえだろ。まま、呑みねえ。未成年だろうが関係ねえ。」

「え!あ、やめてください、僕は・・・駄目なんです!お酒なんて呑んだら・・・・・・ああっ。ごぼごぼ。」

ナレーション「無理やり呑ませられる匠。(あわれな)」

永鉄斎「どうだ、うめーだろ。酒の味は若いうちから知っておいたほうがいいぜ。」

剣持「なんか犯罪的な呑ませ方ですよ(汗)。」

「―――――――た・・・・・・」

剣持「え?なんですか?匠君」

「(ぶるぶる)湛ってば・・・・・・僕がこんなに我慢しているのに・・・・・・ちっとも・・・・・・・やっぱりもうお人よしなんて我慢できないっ!!湛のバカーーーーー!!!!」

ナレーション「そう叫んで一直線に湛の元に走る!!」

「!?匠!?」

「酷いよ、湛。僕というものがありながら、すっかり僕を無視してるじゃない!!」

「た、匠。」

ナレーション「たじろぎまくる湛。」

近江「幼馴染をほうっておくのは感心しないな。じゃ、俺はこれで(すたすたとその場を去る)」

「湛ぇ、僕と扇先輩とどっちが大事なの?」

「よ、酔ってるのか?(汗)落ち着け匠(しがみついてくる匠の背をさする)」

翔子「成り行きが変わってきましたね・・・・・・。」

「やっぱり僕はひ弱なんだ。僕は湛の眼中にないんだね。どうせ僕は・・・・・・」

「!そんなことをいうんじゃない!お前は私の大切な存在だ。お前を傷つけていたならすまなかった。・・・・・・仕方ない、話すか。実は、今までのあれは芝居だ。」

ナレーション「一同目を見張るが、間違いなくそんなところではないかと察していた輩も二人ほどいたらしい(笑)。」

永鉄斎「(やはりな。そんなこったろうと……)」

剣持「(ふう)」