カルラ劇場の過去ログです。
舞子「あれ、あれれれれれれれ?」
ナレーション「その時突然舞子が何かに引っ張られるように走り出した。」
翔子「舞ちゃーん。どこ行くの?」
永鉄斎「って、もう行っちまったぜ。なんて足の速さだ。」
剣持「おやおや、近江君花嫁に逃げられてしまったみたいですね。」
近江「・・・・・・あーーーーーーっ!!!」
永鉄斎「へへっ、ちんたらしてるからだぜ。」
翔子「カルラ天之書、ハッ、八角遠見! 」
剣持「何か見えますか?」
翔子「舞ちゃんったら、諏訪に向かって爆走してるわ。もう長野県に入ったみたい。」
錦織「人間の走るスピードじゃない気がするんだが・・・。」
翔子「そういえば、舞ちゃんと湛さんに憑いていた霊をまだ落としてなかったわね。」
剣持「彼らの思いはおばあさんの予想以上だったようですね。」
ナレーション「冷静に今の状況を分析する二人だった。」
錦織「人間超えたスピードだから追ってゆくのもなあ。でもまあここ山梨だから高速使って追うか?」
近江「追います。(バイクを転がすべく歩き出す)」
翔子「傍迷惑な霊たちよね……いくらなんでも……。ああ、性質が悪くて始末に負えないとはこういうことか……。」
剣持「なるほど。人間だろうと霊魂だろうと傍迷惑なものは迷惑なんですねえ。」
ナレーション「これは是が非でも今浄霊しておかないと、と決意する翔子に剣持。」
近江「ん?」
ナレーション「バイク置き場に行こうと歩んでいた近江の足がふと止まった。」
効果音「トリララ トララ トルリラリ〜♪」
近江「……俺の携帯だ。はい。――舞子!?――迎えに来て?どこにいんだ?」
剣持「?」
翔子「どうしたのかしら?(再び八角遠見)――――あら!皆さん、吉報です!例の二人の霊、浄化したみたいです!」
舞子「(電話の向こうから)――でね。気がつけば湛さんと匠君に追いついててどうしようかなって困り果ててたらどうもあの霊達、仲の良い湛さんと匠君にいっぺん乗り移ったらしいんだけど次の瞬間には満足して浄化したんだって。で、解決したんであたしそっちに戻りたいんだけどお財布今持ってないし。迎えに来てくれる?」
近江「・………………じょ、浄化、した、だと?あの二人に取りついてから?そんなにあっさりと?」
ナレーション「恐ろしくひくーい声音で応対する近江である。」
舞子「うん…(汗)」
近江「あ、あれだけ騒がせておいて、いとも簡単にあっさりと!?ふ・・・・ふ・・・・ふざけんなあっ!!!!(激怒)」
舞子「(耳をおさえ)うわっ!!近江君、落ち着いて――とはいえないけど、落ち着いて!」
ナレーション「周囲はひたすら無言である。」
剣持「・・・・・・・・・・・・そうか。必ずしも恋愛感情一本があのふたりを浄化させるわけではなかったわけですね。湛と匠君の間には恋愛めいているけれど恋愛とは違う愛情が通い合っている――妙な意味じゃありませんよ――とは感じていました。霊たちもあの二人を見て和んだのですね。」
ナレーション「分析する剣持。」
近江「だったら……だったら俺たち四人のうち二人に憑いてから和みゃあよかったんだ!!」
錦織「もっとも・・・・・・だな(脱力)」
近江「はーー(深い溜息)。ともかく迎えに行ってやる。どこだ?」
舞子「ただいまー」
ナレーション「数時間後、舞子は無事近江に伴われて宿の部屋に戻ってきた。」
翔子「お帰りなさい。散々だったわね。はい、お茶」
舞子「ありがとー。近江君ほんと迷惑かけてごめんね(汗)。埋め合せは必ずするから」
永鉄斎「チャンスだ!近江!ここは温泉宿!邪魔者は完全に消えた!・・・やるしかないだろっ(突如小声でそそのかす)」
近江「なっ(////)何をだっ!!何を!!このスケベじじい!!(こちらも小声で鋭く言い返す)」
永鉄斎「ん〜?俺はまだなぁんにも言ってねーぜ?(ニヤニヤ)何を想像したんだ?言ってみろよ。」
近江「こっ、このじじいはぁ〜!!!!(怒) 食らいやがれ!!」
効果音「ぼぐうっ!!!」
永鉄斎「ちょっと待て!俺が悪かったよ!!ぐあああああっ!(汗) 」
ナレーション「近江の激怒の鉄拳が永鉄斎の顎に決まる。・・・・・・ご冥福をお祈り致します。」
錦織「一応生きてるぞ。」
剣持「敬老精神をもてという段階をすぎてますから仕方ないですね。ほら、だから言ったでしょ、永鉄斎さん。度を越すと痛い目に遭うって。」
近江「ちゃんと手加減はしましたよ。これで懲りるじいさんじゃないとは思いますがね。はー。」
永鉄斎「燃えた…燃え尽きちまったぜ…ガクッ」
錦織「ジョーーーーーーーーー!!!!!!」
翔子「に、錦織さん?(汗)」
剣持「実は錦織さんは『明●のジョー』の隠れファンなのですよね。」
翔子「そ…そうなんですか…(汗)」
効果音「カーンカーンカーン」
永鉄斎「っかーーーーっ! 頭に響くぜ。」
近江「なんだ?!」
ナレーション「どこからかの効果音に驚く近江。」